FFC ピッチは両端のコネクタから決める
FFC のピッチは隣り合う導体の中心間距離です。まず両端のコネクタの完全な型番を確認し、ケーブル端部、電流条件、取り付け空間を照合します。同じピッチと極数でも互換とは限りません。ピッチだけで導体断面、電流定格、完成幅、補強板厚は決まりません。
基板側コネクタと端部を照合する
コネクタの管理図面と適用仕様から、極数、接点面、挿入方向、完成端部厚、露出長、補強板、挿入基準を確認します。ZIF、非 ZIF、スライド式、フリップ式の操作を一律に扱わず、組み立て後にもアクチュエータへ手が届くことを確認してください。供給状態も正確な型番で調べます。
GCT の FFC 定義ガイドはピッチ、導体寸法、接点面、長さを別々の指定項目としています。Hirose FH12 シリーズにも接点・実装の異なる形式があります。シリーズ名ではなく、選んだ品番の推奨ケーブル端部図面を使用します。これらは部品資料であり、完成アセンブリの認定ではありません。
導体間の隙間を数えて測る
まっすぐで損傷のない接点部分で、最初と最後の導体中心間を測ります。導体数を N、中心間の全スパンを S とすると、推定ピッチは S / (N - 1) です。中心を識別できなければ拡大観察や適切な測定治具を使い、測定不確かさも記録します。外装幅だけから判定しません。
仮の20導体サンプルで中心間スパンが9.50 mmなら、19区間で割って0.50 mmです。同じ19区間が19.00 mmなら1.00 mmです。これは公称形状の算例であり、検査公差や代替品の承認ではありません。両端コネクタとケーブル図面で確認します。
完成幅は別寸法です。仮に20導体、0.50 mmピッチ、導体幅0.30 mm、外側導体の端から左右各0.35 mmの余白なら、公称幅は 9.50 + 0.30 + 0.35 + 0.35 = 10.50 mm。同じピッチでも導体幅や余白が違えば完成幅は変わります。公差積み上げとコネクタ外形を別途確認し、ケーブル幅とコネクタ幅を単純に足して基板占有幅としません。
| 寸法 | 確認方法 | 避ける誤り |
|---|---|---|
| 導体中心間スパン | (N - 1) x pitch | Nを掛ける |
| 完成ケーブル幅 | 導体幅と両端余白を含む図面 | 中心間スパンと同一視 |
| コネクタ外形 | 指定品番の図面と基板レイアウト | ケーブル幅から推定 |
| 露出長・挿入基準 | コネクタ適用仕様 | 同ピッチの別シリーズから転用 |
| 補強板と端部厚 | 完成端部の適合図面 | 補強板単体厚だけを見る |
電流と組立工程を検証する
導体の材質・幅・厚さ、両端の接点定格、同時通電する接点配置、周囲温度、筐体条件、温度上昇限度とディレーティングを確認します。ピッチが粗いだけで電流余裕が得られるとは限りません。並列接点には電流分担、接続順序、戻り経路、故障時の評価が必要です。
位置合わせ、端部平面度、挿入基準、ロック操作を選定コネクタで定義します。手挿入の可否を分ける普遍的なピッチ境界はありません。曲げ禁止域、折り線、補強、動作、保守挿抜回数を図面に入れ、実装状態で検証します。
放行前の証拠と保留条件
| 確認 | 記録する証拠 | 放行を保留する場合 |
|---|---|---|
| 両端の組合せ | 完全な型番と管理図面 | 写真・極数・ピッチしかない |
| ピッチと幅 | 中心間スパン、導体数、不確かさ、完成幅 | 外装幅の近似しかない |
| 接点面と配線 | A/B端の図、露出面、1番ピン、全結線 | Type A/Bに観察方向がない |
| 挿入形状 | 端部厚、露出長、補強板、挿入基準 | 無理なロックや着座ばらつき |
| 電気負荷 | 通電配置、導体構成、定格、温度上昇計画 | ピッチや並列本数から電流を推定 |
| 取り付けと工程 | 曲げ禁止域、操作空間、張力対策、評価記録 | 導通だけで保持・動作を未確認 |
管理された初品を実際の相手部品へ挿入し、着座と全結線を確認します。必要な温度上昇、保持力、動作試験は案件の限度で評価し、導通試験で代用しません。
RFQ に添付する情報
両端型番、図面改訂、接点面の図、寸法と公差、ピンマップ、負荷と環境、配索・動作、試作数量、合否基準を送ります。未決事項を明示し、量産手配前に図面レビューを依頼します。細ピッチFFCと0.5 mm / 1.0 mm FFCで製造条件を整理し、図面製造管理と電気検査計画へつなげます。構造の違いはFFCとFPC、工程はFPC組立を参照してください。

