技術ブログ · #15

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FFC ピッチの選び方:まずコネクタ、次に電流、最後に幅

EDPcable Engineering Team2026-06-10
FFC ピッチの選び方:まずコネクタ、次に電流、最後に幅
ARTICLE · #152026-06-10

概要

FFC の pitch、つまり隣り合う導体中心間の距離は、基板側コネクタから決まるものとして扱われがちです。多くの場合はそれで済みますが、選んだ pitch が電流余裕を失わせたり、幅の制約を超えたり、量産時の挿入歩留まりを下げたりすることがあります。実務では、まず基板側コネクタの選択肢を確認し、次に導体 1 本あたりの電流を検証し、最後にピン数と pitch から幅を計算する順序が有効です。細ピッチの挿入歩留まりと、コネクタシリーズの長期供給性も同じチェックリストに入れるべきです。

pitch が決めるもの

FFC では、pitch という一つの数字が三つのことを同時に決めます。導体 1 本の断面、つまり電流能力。ケーブル全体の幅。そして両端で使えるコネクタの種類です。この三つは互いに制約し合うため、pitch 選定はバランスを取る作業です。順序を間違えなければ、多くの案件は早く絞れます。

第 1 ステップ:基板側コネクタから見る

FFC は通常 ZIF コネクタに挿入されるため、現実の選択肢はコネクタのエコシステムで決まります。最初に確認すべき点は次の通りです。

  • 基板側コネクタはすでに決まっているか。決まっているなら pitch も決まり、次は電流と幅の確認です。
  • まだ決まっていない場合、対象 pitch で少なくとも 2 社のコネクタメーカーが入手可能なシリーズを持っているか。
  • 製品は何年供給される必要があり、そのコネクタシリーズは期間中に維持できそうか。

コネクタを出発点にすることが重要です。ケーブルは図面に合わせて作れますが、コネクタの廃番は製品そのものを止めることがあります。

第 2 ステップ:電流余裕を見る

pitch を一段細かくすると、導体断面は小さくなりがちです。信号線では問題にならないことが多い一方、電源、バックライト、ヒータなどのラインでは計算が必要です。最悪時の電流はいくつか。導体 1 本の定格で足りるか。足りなければ何本を並列にするか。隣接導体が同時に電流を流すと放熱条件が悪くなるため、ディレーティングも必要です。

ここで 0.5mm から 1.0mm に戻る理由が生まれることがあります。あるいは、電源だけを別の太めの短いケーブルに分ける案も出ます。

第 3 ステップ:幅を計算する

ピン数に pitch を掛け、両側の余白を加えるとケーブル幅になります。コネクタ本体の幅も足すと、基板上と筐体内で必要なスペースが見えます。単純な計算ですが、実際に図にして確認する価値があります。40 pin の 0.5mm と 1.0mm では約 2 cm の差があり、薄型機器ではそれが成立可否を決めます。

幅が厳しく、ピン数も減らせない場合に、より細かい pitch を検討します。その場合は、第 2 ステップの電流確認と、製造上の代償も一緒に持ち込みます。

忘れられやすい二つの要素

挿入歩留まり。 pitch が細いほど、挿入時の位置合わせ許容範囲は狭くなります。少しの角度やずれで接触不良になります。量産で手挿入する場合、0.5mm 未満は工程準備が必要です。このコストは製造側に隠れやすく、選定時に見落とされます。

端末と補強の細部。 細ピッチケーブルの端部は許容が狭くなります。露出長、補強板厚み、端部補強、想定挿抜回数を図面に入れるべきです。これらは pitch そのものではありませんが、pitch が細いほど重要になります。

具体的な型番へ落とす

この記事は考え方の順序を扱っています。各 pitch の範囲、導体数、加工オプションは用途ページで確認してください。信号密度が高いリンクは Fine-Pitch FFC、0.5mm と 1.0mm の比較が中心なら 0.5mm / 1.0mm Pitch が該当します。そもそも FFC か FPC かで迷っている場合は、まず FFC vs FPC を見てください。

FAQ04

よくある質問

  • 最も一般的な FFC ピッチはどれですか。

    現在の設計では 0.5mm と 1.0mm が中心で、1.25mm は既存設計や電流が大きい用途でまだよく使われます。制約がなければ、信号密度が高いリンクは 0.5mm、信号と電源が混在するリンクは 1.0mm から検討すると、供給が安定した範囲に入りやすくなります。

  • 細ピッチ FFC で電源を流せますか。

    限度内では可能です。細い pitch では 1 本あたりの導体断面が小さくなるため、複数導体を並列にして 1 つの電源ラインに使うことがあります。最悪時の電流と導体 1 本の定格を比較し、隣接導体が同時に電流を流す場合のディレーティングも見てください。

  • pitch を小さくすれば必ず幅は節約できますか。

    同じピン数なら幅は小さくなります。ただし、より細く壊れやすいケーブル、より厳しい挿入位置合わせ、高価なコネクタが必要になる場合があります。節約できる数 mm は無料ではないため、まず幅を計算し、本当に必要な場合にだけ細かい pitch へ進みます。

  • 基板側コネクタが固定済みなら、もう決めることはありませんか。

    まだあります。導体の使い方、予備ピン、ケーブル長、補強板の配置、端部露出長、補強方法、折り曲げ成形が必要かどうかです。pitch は決まっていても、ケーブル図面はまだ決まっていません。

最終更新: 2026-06-10
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