この LVDS リンクは何 m まで使えるか
LVDS に共通の最大ケーブル長はありません。2 m でも 5 m でも、それだけで使用を保証できません。送信器、受信器、タイミング、実装した伝送路を組み合わせて評価します。短い卓上ケーブルで表示できても、最終配線長での余裕は確認できません。
TI の LVDS SerDes Gen I PCB and Interconnect Design-In Guidelines(AN-1108) はケーブル長を用途に依存する条件として扱っています。Microchip の SAMA7D65 向けガイド も、5 m の実装は最終用途で検証するよう求めています。この特定デバイスの説明を、別のコントローラやパネルの保証距離に置き換えることはできません。
ピクセルクロックを各ペアの転送速度に換算する
解像度だけでは伝送条件は決まりません。ブランキング、色データの割当て、シングル/デュアルリンクを含む表示タイミングを入手します。DS90C385A 送信器 と DS90CF386 受信器 で説明される 7:1 の割当てでは、各データペアが 1 ピクセルクロック当たり 7 bit を送ります。以下は「ペア当たり速度 = 7 × ピクセルクロック」「UI = 1 / 転送速度」の計算例です。
| ピクセルクロック | データペア当たり | 1 UI |
|---|---|---|
| 40 MHz | 280 Mb/s | 3.571 ns |
| 65 MHz | 455 Mb/s | 2.198 ns |
| 85 MHz | 595 Mb/s | 1.681 ns |
これは計算例であり、ケーブルの測定結果ではありません。引用した受信器の上限は 85 MHz で、送信器単体の上限によって引き上げることはできません。7 倍という関係はすべての LVDS に適用できず、UI も許容 skew ではありません。端点のタイミング、ジッタ、伝送路の不一致がサンプリング余裕を消費します。
skew、損失、実装時のノイズを分ける
クロックを別ペアで送る表示リンクでは、PCB、コネクタ、ケーブル全体について、各データペアの到達時刻をクロックと比較します。これは差動ペア内の 2 本の不一致とは異なり、後者はバランス低下やコモンモード変換の要因になります。撚りの均一性は構造上の要素であり、第 3 の時間許容値ではありません。TI の FPD-Link I RSKM 解説 SNLA249 は、対象デバイスについて 7 bit の左右の余裕を確認し、最小値を使う考え方を説明します。単一デバイスの時間値を、共通の許容 mm 数や m 数には換算できません。
損失は周波数、導体と誘電体、基準導体の配置、接続部、長さで変わります。32 AWG から 28 AWG へ変更しても、それだけで長距離を保証できません。構造別の損失、インピーダンス、skew のデータを求め、曲げ、可動、温度、束径も評価します。
耐ノイズ性にはバランス、受信器のコモンモード範囲、リターン経路、シールドの終端処理、周辺配線が関係します。シールドは不明確なリターン経路を解決しません。シールドの基礎 と LVDS シールド配線 を参照してください。プリエンファシス、等化、バッファは対象端点が対応する場合だけ検討し、設定を含めて評価します。LVDS という名称だけでは搭載機能は分かりません。
長さを決める前に伝送路の予算を作る
| 項目 | 集める根拠 | 決める事項 |
|---|---|---|
| 送受信端点 | 型番、割当て、速度、入出力条件 | 動作条件 |
| ケーブル | 構造別の損失、インピーダンス、skew | 候補構造と評価長 |
| 不連続部 | PCB 引出し、コネクタ、治具の影響 | 全伝送路の測定計画 |
| ノイズとリターン | 筐体接続、シールド両端、周辺源 | 実装 EMC 条件 |
| 機構 | 経路、曲げ、可動、温度 | 組立・取付条件 |
| 検証 | パターン、時間、ワーストケース条件、エラー基準 | 合否計画と保存記録 |
LVDS Cable Assemblies は構造選択の入口です。産業モニタ と 医療モニタの配線 では取付条件が異なり、用途名自体が完成機器を適格とするわけではありません。
2 m と 5 m の候補を比較する
以下は提案する検証方法であり、EDPcable の試験報告ではありません。端点、表示タイミング、ケーブル構造、ピン配列、コネクタ、測定系を揃えて長さを変え、現品と改訂を記録します。他の条件も変わった場合は明記し、結果を長さだけの効果と扱いません。
| 確認 | 各長さで残す記録 | 保留・調査条件 |
|---|---|---|
| 受信波形 | 規定しきい値での差動アイとジッタ | 必要な時間余裕を満たさない |
| データ対クロック | 全データペアの到達差 | いずれかのビット位置で余裕が不足 |
| 接続部 | 損失・インピーダンスと治具補正 | 引出し、接続、プローブが支配する |
| 機能エラー | パターン、エラー数、経過時間 | 合意した基準を超える |
| 動作条件の上下限 | 電源、温度、起動、必要モード | 未評価または不合格の条件がある |
| 実装経路 | 曲げ・可動、接地、ノイズ | 卓上結果を製品内で再現できない |
TI の LVDS オーナーズ・マニュアル第 6–7 章 は、送受信器、ケーブル、測定点、パターン、条件を定義して距離を評価する過去の例です。古い試験のしきい値やケーブル結果を別のディスプレイの合否基準にしないでください。実際の端点・システム要求から基準を定め、治具とプローブの設定を残します。導通合格や安定して見える画面だけで余裕は分かりません。エラー 0 の結果にも、試験時間と条件を添えます。
2 m が合格し 5 m が失敗しても、原因が損失、skew、干渉のどれかは分かりません。まず受信波形とデータ対クロックを比較し、接続部、経路、ノイズを一条件ずつ切り分けます。両方で失敗する場合は、ピン配列、極性、割当て、電源、起動順序も確認します。
RFQ 入力と出荷判定
端点データシートの改訂、完全な表示タイミング、相手コネクタとピン配列、取付長・経路、機械条件、接地、上記の合否条件を送ります。Board-to-Panel LVDS、電気試験計画、RF・インピーダンス試験 を用途入力と検証範囲の整理に使ってください。
合意した余裕を確認できた構造、長さ、経路、端点の組合せだけを承認します。予算が成立しなければ、対応する速度・割当て変更、変換点の移動、経路変更、必要な伝送路向け SerDes を比較し、互換性とシステムを再評価します。シールドや太い線による固定距離の延長は約束できません。図面に基づく工程管理 で承認改訂を量産に結び付けます。
配線図の全体

概念説明用です。寸法、ピン数、曲げ、skew の注記は例であり、案件仕様や実測済み製品の証明ではありません。全体図を開く。


