技術ブログ · #294

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LVDS ケーブルはどこまで延ばせるか:ピクセルクロック、skew、実際の限界

EDPcable Engineering Team2026-06-09
LVDS ケーブルはどこまで延ばせるか:ピクセルクロック、skew、実際の限界
ARTICLE · #2942026-06-09

概要

LVDS ケーブルの到達距離は、確定した送信器、受信器、実装した伝送路で検証します。2 m や 5 m を自動的に合格とは扱えません。本稿では特定の 7:1 表示リンクを使い、ピクセルクロックから各ペアの速度と UI を計算します。データ対クロックの skew とペア内の不平衡を区別し、線径やシールドだけでは距離を保証できない理由を説明します。予算表と比較試験表で、受信波形、機能エラーと時間、電源・温度の上下限、取付経路を記録し、RFQ と承認判定に必要な根拠を整理します。メーカーの一次資料へのリンクと、仕様値ではないことを明記した配線線画も掲載しています。

この LVDS リンクは何 m まで使えるか

LVDS に共通の最大ケーブル長はありません。2 m でも 5 m でも、それだけで使用を保証できません。送信器、受信器、タイミング、実装した伝送路を組み合わせて評価します。短い卓上ケーブルで表示できても、最終配線長での余裕は確認できません。

TI の LVDS SerDes Gen I PCB and Interconnect Design-In Guidelines(AN-1108) はケーブル長を用途に依存する条件として扱っています。Microchip の SAMA7D65 向けガイド も、5 m の実装は最終用途で検証するよう求めています。この特定デバイスの説明を、別のコントローラやパネルの保証距離に置き換えることはできません。

ピクセルクロックを各ペアの転送速度に換算する

解像度だけでは伝送条件は決まりません。ブランキング、色データの割当て、シングル/デュアルリンクを含む表示タイミングを入手します。DS90C385A 送信器 と DS90CF386 受信器 で説明される 7:1 の割当てでは、各データペアが 1 ピクセルクロック当たり 7 bit を送ります。以下は「ペア当たり速度 = 7 × ピクセルクロック」「UI = 1 / 転送速度」の計算例です。

ピクセルクロックデータペア当たり1 UI
40 MHz280 Mb/s3.571 ns
65 MHz455 Mb/s2.198 ns
85 MHz595 Mb/s1.681 ns

これは計算例であり、ケーブルの測定結果ではありません。引用した受信器の上限は 85 MHz で、送信器単体の上限によって引き上げることはできません。7 倍という関係はすべての LVDS に適用できず、UI も許容 skew ではありません。端点のタイミング、ジッタ、伝送路の不一致がサンプリング余裕を消費します。

skew、損失、実装時のノイズを分ける

クロックを別ペアで送る表示リンクでは、PCB、コネクタ、ケーブル全体について、各データペアの到達時刻をクロックと比較します。これは差動ペア内の 2 本の不一致とは異なり、後者はバランス低下やコモンモード変換の要因になります。撚りの均一性は構造上の要素であり、第 3 の時間許容値ではありません。TI の FPD-Link I RSKM 解説 SNLA249 は、対象デバイスについて 7 bit の左右の余裕を確認し、最小値を使う考え方を説明します。単一デバイスの時間値を、共通の許容 mm 数や m 数には換算できません。

損失は周波数、導体と誘電体、基準導体の配置、接続部、長さで変わります。32 AWG から 28 AWG へ変更しても、それだけで長距離を保証できません。構造別の損失、インピーダンス、skew のデータを求め、曲げ、可動、温度、束径も評価します。

耐ノイズ性にはバランス、受信器のコモンモード範囲、リターン経路、シールドの終端処理、周辺配線が関係します。シールドは不明確なリターン経路を解決しません。シールドの基礎 と LVDS シールド配線 を参照してください。プリエンファシス、等化、バッファは対象端点が対応する場合だけ検討し、設定を含めて評価します。LVDS という名称だけでは搭載機能は分かりません。

長さを決める前に伝送路の予算を作る

項目集める根拠決める事項
送受信端点型番、割当て、速度、入出力条件動作条件
ケーブル構造別の損失、インピーダンス、skew候補構造と評価長
不連続部PCB 引出し、コネクタ、治具の影響全伝送路の測定計画
ノイズとリターン筐体接続、シールド両端、周辺源実装 EMC 条件
機構経路、曲げ、可動、温度組立・取付条件
検証パターン、時間、ワーストケース条件、エラー基準合否計画と保存記録

LVDS Cable Assemblies は構造選択の入口です。産業モニタ と 医療モニタの配線 では取付条件が異なり、用途名自体が完成機器を適格とするわけではありません。

2 m と 5 m の候補を比較する

以下は提案する検証方法であり、EDPcable の試験報告ではありません。端点、表示タイミング、ケーブル構造、ピン配列、コネクタ、測定系を揃えて長さを変え、現品と改訂を記録します。他の条件も変わった場合は明記し、結果を長さだけの効果と扱いません。

確認各長さで残す記録保留・調査条件
受信波形規定しきい値での差動アイとジッタ必要な時間余裕を満たさない
データ対クロック全データペアの到達差いずれかのビット位置で余裕が不足
接続部損失・インピーダンスと治具補正引出し、接続、プローブが支配する
機能エラーパターン、エラー数、経過時間合意した基準を超える
動作条件の上下限電源、温度、起動、必要モード未評価または不合格の条件がある
実装経路曲げ・可動、接地、ノイズ卓上結果を製品内で再現できない

TI の LVDS オーナーズ・マニュアル第 6–7 章 は、送受信器、ケーブル、測定点、パターン、条件を定義して距離を評価する過去の例です。古い試験のしきい値やケーブル結果を別のディスプレイの合否基準にしないでください。実際の端点・システム要求から基準を定め、治具とプローブの設定を残します。導通合格や安定して見える画面だけで余裕は分かりません。エラー 0 の結果にも、試験時間と条件を添えます。

2 m が合格し 5 m が失敗しても、原因が損失、skew、干渉のどれかは分かりません。まず受信波形とデータ対クロックを比較し、接続部、経路、ノイズを一条件ずつ切り分けます。両方で失敗する場合は、ピン配列、極性、割当て、電源、起動順序も確認します。

RFQ 入力と出荷判定

端点データシートの改訂、完全な表示タイミング、相手コネクタとピン配列、取付長・経路、機械条件、接地、上記の合否条件を送ります。Board-to-Panel LVDS、電気試験計画、RF・インピーダンス試験 を用途入力と検証範囲の整理に使ってください。

合意した余裕を確認できた構造、長さ、経路、端点の組合せだけを承認します。予算が成立しなければ、対応する速度・割当て変更、変換点の移動、経路変更、必要な伝送路向け SerDes を比較し、互換性とシステムを再評価します。シールドや太い線による固定距離の延長は約束できません。図面に基づく工程管理 で承認改訂を量産に結び付けます。

配線図の全体

LVDS の制御基板とパネル、ケーブル構造、skew 波形例を示す技術線画

概念説明用です。寸法、ピン数、曲げ、skew の注記は例であり、案件仕様や実測済み製品の証明ではありません。全体図を開く。

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FAQ04

よくある質問

  • LVDS に共通の最大ケーブル長はありますか。

    全実装に共通する合格長はありません。端点とタイミングを確定し、全伝送路の予算を作って、実装した構造をシステム要求に照らして検証します。

  • 2 m や 5 m の表示ケーブルは使えますか。

    どちらも実際のデバイス、割当て、伝送路、動作条件に対する根拠が必要です。条件を揃えた候補で受信信号・時間余裕、エラー数と試験時間を比較します。卓上で画面が安定するだけでは不十分です。

  • 65 MHz のピクセルクロックは各ペア 65 Mb/s ですか。

    引用した 7:1 FPD-Link では 7 × 65 MHz = 455 Mb/s、1 UI は約 2.198 ns です。実際の割当てを確認してください。UI は許容 skew ではありません。

  • 太い線、シールド、バッファで距離は保証されますか。

    保証できません。それぞれ作用が異なり、互換性とシステムの検証が必要です。予算が成立しなければ、対応する速度変更、変換点移動、経路変更、適した伝送方式を比較します。

最終更新: 2026-10-14
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