技術ブログ · #369

micro-coaxial

マイクロ同軸ケーブルの構造と選定

EDPcable Engineering Team2026-06-01
マイクロ同軸ケーブルの構造と選定
ARTICLE · #3692026-06-01

概要

マイクロ同軸ケーブルは、中心導体、誘電体、外部導体、外被で構成されます。アセンブリの選定では、導体の線径、仕上がり外径、コネクタ形状、インピーダンス、実装後の動きを別々に確認します。本記事では四層の役割と単端・差動インピーダンスの違いを整理し、仮想の八本配列を用いて AWG だけでは配線幅が決まらない理由を説明します。六項目の確認表では、代替品の承認や RFQ の前に必要な図面、シールド接続、検証条件を示します。メーカーの事例は該当部品の説明であり、EDPcable 完成品の性能保証ではありません。

マイクロ同軸ケーブルとは

中心導体、誘電体、外部導体、保護外被からなる小型の同軸構造です。構造名だけではコネクタ、通信方式、完成品の認定条件は決まりません。全製品に共通する AWG、ピッチ、速度、屈曲寿命の値もありません。

I-PEX は外部導体のシールド機能とデジタル接続での利用を説明しています。シールドは端末を通る接続経路まで定義する必要があり、シールド線の採用だけでシステムの EMC 適合を証明することはできません。

層役割確認する情報
中心導体信号を伝える構成、材料、線径
誘電体内外導体を隔てる材料と寸法
外部導体周囲の導電シールド構造と端末接続経路
外被表面を保護する仕上がり外径と使用条件

AWG・外径・ピッチを分けて確認する

AWG は導体サイズを示し、ケーブル全体の外径ではありません。ピッチは隣接接点の中心間距離であり、線の直径や保証された隙間ではありません。ケーブル図面と両端コネクタの適用仕様を照合してください。細いケーブルでも自動的に承認済み代替品になるわけではありません。

Fujikura の表では AWG42 の一例として中心導体径 0.075 mm、外被径 0.29 mm を示しています。この構成の寸法であり、AWG42 全般の外径や特定コネクタとの適合を表す値ではありません。

RFQ では外部導体を基準とする単端インピーダンスと、二本の信号導体間の差動インピーダンスを分けます。50 Ω のケーブルという記載だけで、完成した差動対の 100 Ω を証明できません。方式、目標と公差、基準面、測定構成を定義します。インピーダンス検証も参照してください。

AWG だけでは求まらない配線幅の計算例

八本を平らな一列に並べ、一本の最大外径を仮に 0.30 mm、七つの隙間を各 0.05 mm とします。配列幅は 8 × 0.30 + 7 × 0.05 = 2.75 mm です。最大外径を 0.32 mm にすると 2.91 mm となり、0.16 mm 増えます。

これらは仮定値であり、メーカー限度値、束径の式、実装許可ではありません。テープ、スリーブ、分岐、公差、動作時の占有空間には別の余裕が必要です。直線状態で収まってもヒンジでは干渉する場合があります。代表アセンブリで実際の経路と動作を確認し、AWG から曲げ半径や寿命を推定しないでください。

選定・代替前の六項目

I-PEX の選定ガイドは、信号、コネクタ寸法、ケーブル、嵌合条件を関連づけています。完成経路全体で確認します。

判断項目必要な証拠判断を保留する条件
嵌合両側の完全型番、版、ピン配置、嵌合方向ブランド・極数・ピッチしかない
ケーブル構成、最大外径、認められた端末処理AWG しかない
信号経路方式、長さ、インピーダンス、損失・スキュー、測定面部品の見出し仕様だけを完成品の証拠にする
シールド端末接続、基板への接地経路、EMC 計画導通だけでシールド性能を証明する
動作経路、張力緩和、曲げ・ねじり条件、評価計画一般的な寿命値しかない
出荷図面版、検査・試験記録、変更承認材料や形状の変更が未承認

導通試験は指定条件で断線や誤配線を検出しますが、インピーダンス、高周波損失、屈曲寿命は証明しません。電気試験計画では分けて管理します。

用途と RFQ に含める情報

Micro-coax は構造、eDP・LVDS は信号方式の文脈、FFC は別のケーブル構造です。低速でも FFC への変更は嵌合、配線、シールド、信号、動作の再確認が必要です。micro-coax と FFC の比較を参照してください。

正確なコネクタ対、ピン配置、ケーブル図面、長さと公差、実装経路、信号要求、シールド接続、認定条件、試作・量産数量を送付します。写真は識別補助であり図面の代替ではありません。マイクロ同軸アセンブリを起点に、実部品を確認してから狭ピッチやI-PEXを検討します。部品事例は完成品や医療機器の認証を意味しません。

FAQ04

よくある質問

  • AWG だけで仕上がり外径は決まりますか?

    いいえ。AWG は中心導体のサイズです。誘電体、外部導体、外被を含む仕上がり図面と公差が必要です。

  • 50 Ω ケーブルなら差動対は自動的に 100 Ω ですか?

    いいえ。単端と差動では基準が異なります。対の配置、端末、目標と公差、基準面、完成経路の検証方法を定義してください。

  • 収まれば FFC に置き換えられますか?

    寸法だけでは判断できません。両端の嵌合、ピン配置、信号経路、シールド、実装後の動作を確認し、変更したアセンブリを評価します。

  • RFQ には何を含めますか?

    完全型番、ピン配置、ケーブル構成と最大外径、長さ・公差、方式とインピーダンスの定義、シールド経路、配線・動作、評価条件、数量を含めます。

最終更新: 2026-10-18
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